古物商許可
古物商とは、古物営業法に規定される古物を、業として売買または交換する業者・個人をいい、これを行うためには営業所を管轄する都道府県公安委員会の許可が必要です。
昨今、誰でも気軽にインターネット等で売買をすることができるようになり、リサイクルショップやレンタル事業を経営する場合などに限らず、一般人でも古物商許可が必要になるケースも増えてきています。
また、「古物商」と検索すると申請の手引きや、許可取得の代行をする専門家のサイトがたくさん出てきます。それだけ世間の関心も高く、情報も求められているのだと感じています。
古物商許可を取得しておくと
「現在の取引形態や取引品目では古物商許可は必要ない」とお考えの方もいらっしゃると思います。しかし、
などの理由から、頻繁に物品の売買をするような方は取得しておくことをおススメします!
いざ必要になった時に許可を取得しようとしても、そこから日数がかかってしまうので取引の停止期間が発生したり、ビジネスチャンスを失ってしまうことも考えられます。
「営業をする予定はないけど、念のために…」はアリ?
・とはいえ、「全く取引する予定はないが、いつか必要になるかもしれないから念のため取っておく」というのはナシなんです。
・許可を受けてから
1. 6カ月以内に営業を開始しない場合
2. 営業を6カ月以上休止して、なお再開していない場合
は、「許可の取消し」の対象になる可能性があります。
・ただ、「古物商」としての売買実績がなくても、それに関わる営業活動をしていれば問題ありません。
古物商を取ってみた!
ここでは一般的な申請書類や欠格要件、関係法令の説明は割愛させていただき、実際に自分で古物商許可を取得した時に感じたことをお伝えしたいと思います。
これから古物商許可を取得しようとお考えの方にお役立ていただければ幸いです。
私自身は仕事上での必要性を感じ古物商許可を取得しましたが、その時はまだ行政書士としては開業しておらず、申請書類の作成などに関してはまったくの素人という状態で一人で申請をしました。
1. 書類を集める
2. 書類を作成する
3. 書類を提出する
と至って単純な作業なのですが、不慣れということもあり、なかなかスムーズには進められなかった記憶があります。
ネット上では様々な情報が…
最初につまづいたのはコレでした。
インターネットで「古物商」と検索すると、たくさんの情報が出てきます。しかし色々なサイトを見れば見るほど、それぞれ書いてあることが微妙に違うのです。これから一人で書類を作成する身としては、これほど不安なことはありません。
都道府県によって扱いが多少違うこともありますが、中には情報が最新ではないものもありました。
申請書類は直接、管轄の警察署で入手するのがおススメ!
・私は申請書類は全て警視庁のサイトからダウンロードしましたが、それ以外にも定型ではない自分で作成する書類もあれば、役所に取りに行く証明書なども必要です。
・証明書は有料なので、間違ったものだと時間もお金も無駄にしてしまいます。実際に自分は1枚でよかったものを2枚入手してしまったり、現在では提出する必要がなくなった書類を取りに行ったりと無駄な行動をとってしまいました。
そのようなことを避けるためにも、管轄の警察署に申請書をもらいに行くついでに、担当の方と申請書類の提出について「事前相談」をしておくといいと思います。
書類を作成する上での注意点
入手した書類のコピー
まず、基本的なことですが、入手した書類を記入前に1〜2枚「コピー」しておきましょう。
書き慣れない書類には誤字や脱字、記入箇所の間違いなどが付きものです。「また書類を取りにいかなくては…」とならないためにも、何枚か余分にコピーをしておくと安心です。(ご自宅でダウンロード・コピーができる方は気にしなくて大丈夫です。)
「これくらいはいいか…」はNG!
記入箇所や記入内容が誤っているのに「これは訂正印でいいかな」とか「これは提出時に口頭で説明すればいいや」という考えはやめましょう。
正式な申請書類は「きちんと形式に則っているか」が非常に大切です。何度も間違いを指摘され、受理されるまで自宅と警察署を何往復もしたという話も聞きます。
「少しでも間違えたら書き直す」を徹底することで、結果的にスムーズに申請が受理されます。
思っているよりも、「完璧」は難しい
・私が書類を提出した時には不備がなかったのですが(余計な書類の持ち帰りはありましたが…)、担当の方から「古物商を取るのは初めてですか?」と聞かれました。個人で書類を提出に来て、1発OKは割と珍しいとのこと。
・私は当時から行政書士で仕事をする意志があったので、その練習も兼ねて色々と調べ、相当慎重に書類を作成しました。そこまで難しいものではないのかも知れませんが、書き慣れない書類を何枚もミスなく作成するのはそれなりに大変です。
警察署で事前に相談をしていても、いざ書類の作成を始めると「ここの日付欄は空けとくの?」「事務所の見取り図なんて書き方が分からない!」など戸惑うことも多いと思います。
インターネットで調べると大抵のことは載っていますが、前述のとおりサイトによって内容が違っていたりすることもあるので、電話で警察署に確認するのが確実です。
いざ提出!
私が千葉県内の警察署で申請した際の内容を記載します。各都道府県・管轄警察署によって取扱いが異なる場合があるのでご注意ください。
管轄の警察署に提出日時の予約を取る
書類が完成したら、管轄の警察署に電話をして提出日時の予約を取ります。
いきなり行ってもあちらの手が空いていれば大丈夫だと思いますが、スムーズに提出するためにも事前に予約をしておきましょう。
申請書類の提出
1. 予約した日時に、管轄警察署の担当窓口で申請書類を提出します。
※担当窓口の名称は警察署により違います。(生活安全課、防犯課など)
2. 提出書類に不備がないかをその場で確認してもらい、OKなら警察署内にある「収入証紙売りさばき所」で県収入証紙(19,000円)を購入します。それを申請書類に貼付した後、正式に提出します。
3. 最後に申請書類を提出したことを証明する「申請等受付票」を受け取り、申請は終了です。(所要時間20分程度)
県収入証紙の取扱い
・証紙が警察署内で購入できる場合は事前に購入していく必要はありません。もし書類に訂正などがありその日に提出できない場合は、その間切手程度の大きさの証紙を持ち歩くことになります。紛失のリスクを考慮すると、書類に不備がないのを確認した後に購入するのがいいでしょう。
・事前に購入される場合は、通常、警察署、自動車教習所、県税事務所、保健所などで購入できます。ご自身の居住地域で最寄りの販売所をお探しください。
申請から許可取得までの期間
警視庁のサイトでは「標準処理期間は40日(行政庁の休日は含まない)」と記載されています。
私の場合は、申請から許可取得の連絡がくるまでに45日かかりました。
やはり許可取得までにはある程度の日数がかかる
・私もそれを想定して早めに動いていたつもりでしたが、結局チラシの印刷やホームページのアップロードなどは「許可待ち」状態になってしまいました。
・業種によっては、許可がないと事業自体が開始できないこともあると思います。「従業員を雇用し、開業の日も決めたのに許可がまだおりない」といった事態にならないように、開業準備の中でも優先順位を高く設定することをおススメします。
自分でやる or 専門家に依頼する
全ての手続き終えて、当時の私が抱いた感想は、「なんとかなったけど、かなりめんどくさい!」です。
また、「今の時代はなんでもインターネットで完結できる」というわけではなく、フットワークと十分な調査、慎重さが必要だとも感じました。
私の経験から、以下のような方は専門家に依頼されることをおススメします。
一方、平日に時間が取りやすい方、申請を通じて古物商に関して見識を深めたい方などは、ご自身で申請手続きをされるのもいいと思います。
最後に…
いかがだったでしょうか。おおざっぱな説明ではありましたが、なんとなく許可取得までの流れがイメージできましたか?
行政書士あおき事務所では、古物商許可申請の代行を33,000円でお受けしております。
みなさまのお気持ちに寄り添った丁寧なサポートをさせていただきますので、古物商許可申請、その他許認可をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。